【第1回写真出版賞 特別審査員賞】写真家・青山裕企氏コメント

写真出版.com

2019/05/20

第1回写真出版賞では、写真家・青山裕企氏に特別審査員として最終審査に加わっていただき、青山裕企賞<審査員特別賞>を創設することになりました。
青山裕企賞<特別審査員賞>は、受賞作品の中から、写真家・青山裕企氏が最も高く評価した作品に贈られます。

ぜひ皆さん、応募作の参考にしてくださいね。

審査の様子/右:青山裕企氏

~青山裕企賞<特別審査員賞>

洪十六「And We’re Changing Our Ways’」

青山裕企氏コメント

デザインセンスを感じさせる作品でした。

フィルムで撮影していて、ポートレイトっぽい感じの作品です。

このような写真を撮影しているアジアの方はよく見かけますが、全体的にこの人ではないと撮れないものを撮っている感じがしました。良い写真も多く、おそらく身の回りの人たちを撮っていると思われます。

大事な女の子、セクシャルマイノリティ、身の回りの友達たちと3本ぐらい軸があって、編集者と一緒にそこを絞っていくと、おそらくたくさん写真を撮っていると思われますので、もっといい作品になると思います。


ほかにも良い応募作品はありましたが、既視感があったり、新しさをあまり感じなかったり。
すでに完成されきっていて、ボリューム感や編集のしやすさでは本作を上回る作品もありましたが、本作は現代風に言うとエモく、編集の仕方によっては、さらに“進化していく”大きなポテンシャルを感じました。それゆえ、審査員特別賞に選出しました。

〇青山裕企氏プロフィール〇

1978年4月15日生まれ。

国内・海外(2009/シンガポール、2012/スペイン、2013/香港、2016/台北、2017/ドイツなど)の展覧会で作品を発表しながら、今までに約9年で65冊の書籍を刊行している。主な書籍に『SOLARYMAN 2006-2015』『SCHOOLGIRL COMPLEX 2006-2015』『絶対領域』『吉高由里子 UWAKI』『ガールズフォトの撮り方』『僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!』『<彼女>の撮り方』『パイスラッシュ -現代フェティシズム分析-』『SCHOOLBOY COMPLEX』『僕の妹は、写真家になりたい。』等々。

主なメディア出演歴:テレビ『発掘!ミラクルフォト』レギュラーMC、『ミュージャック』『乃木坂って、どこ?』『お願い!超選挙』など、ラジオ『すっぴん!』『ROCKETMAN SHOW』『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』など。

URL:http://yukiao.jp/

その他審査員コメント

・今、中国で生きている人たちの営みが匂い立ってくる。現在の中国の状況を踏まえると、言葉の真の意味で倫理的でもあります。

・多くの写真からカメラを構える作者の像が浮かび上がってきます。ここで表現されているのは作者自身の生きていく道なのであろう。若い時代の迷える心はさまざまなテーマを追い求める。その混沌が見て取れます。テーマを決めて作りこんでいけば、自分のみならず、時代を表現した作品集になります。

・中国に生きる若い人の視点から伝わってくる写真。迷走するような時代を背景に、命の力強さが伝わってきました。

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