「アート部門」「エンターテインメント部門」「ドキュメンタリー部門」の3部門で募集した第5回写真出版賞(2021年7月20日締切)は、8月17日に一次審査、8月26日に特別審査員 青山裕企さんを迎え最終審査会を行ない、下記の通り受賞作を決定しました。
大賞受賞作品と契約が成立した作品は提携出版社により出版されます。
今回は、全体的に突き抜けた作品が少なかったという印象です。
突き抜けた作品というのは、その人にしか撮れないもの、そこでしか撮れないものだと見る人に感じさせる作品のことです。たとえばポートレートなら、その人の美しさや可愛さなど表面的なものではなく、もっと深くパーソナリティまで捉えようとすること。その人を撮る必然性が感じられないと、ただの自己満足になってしまうんです。
そんななか、僕が今回特別賞に選んだ作品は、自分でも意外な作品でした。
今はコロナ渦でシリアスな時代なので、僕や多くの人が見たいものは、きっと悲しいものではなく明るいものなんですよね。コンテストに応募するというのは、頼まれた仕事と違い、自分が撮りたいものを撮る機会です。それはいわばアートなのですが、自分に向き合うだけではなく、人を楽しませるというエンターテインメントの精神も持っていてほしいと思うのです。
「自分が撮った写真を誰が見るのか。誰が本にしたいと思うのか。そして、誰がその本を買うのか。」そこまで考えると、自然と提出する作品のクオリティも上がってくると思います。
次回も、どんな作品に出会えるのか楽しみにしています。
青山裕企氏 プロフィール
1978年 愛知県名古屋市生まれ。筑波大学人間学類心理学専攻卒業。2007年 キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。現在、東京都在住。作品に『ソラリーマン』『スクールガール・コンプレックス』などがあり、吉高由里子・指原莉乃・生駒里奈・オリエンタルラジオなど、時代のアイコンとなる女優・アイドル・タレントの写真集の撮影を担当している。今までに約10年で、70冊以上の書籍を刊行。2016年より、ユカイハンズパブリッシング設立。URL:http://yukiao.jp/
【 賞 】
「大賞」:受賞作の出版化、盾、賞状、賞金20万円
「<青山裕企賞>特別審査員賞」:賞状、賞金3万円
「最優秀賞」:賞状、賞金3万円
「優秀賞」:賞状、賞金1万円
「奨励賞」:賞状
大賞 1作品 (全部門から選出)
該当なし
青山裕企賞 1作品 (全部門から選出)
作品名「ねこねこだいうんどうかい」 作者:ぴろし
《 アート部門 》
最優秀賞 1作品
作品名「愛環アイアンロードサイド」 作者:天野伸太郎
優秀賞 3作品
作品名「ご自愛ください あなた様」 作者:ソナチネ詩音
作品名「鐵道憧憬」 作者:八木原毅
作品名「MAID IN JPAN」 作者:hyayan
奨励賞 5作品
作品名「みうみう」 作者:PD
作品名「東京」 作者:アノ
作品名「~私は、私として産まれる~ 『星ヲ輪ユメカ』になるために」 作者:あかのなおき
作品名「写真とメンタル入門」 作者:天野トロイカ
作品名「心象風景」 作者:きたぴ
《 エンターテイメント部門 》
最優秀賞 1作品
該当なし
優秀賞 2作品
作品名「ねこねこだいうんどうかい」 作者:ぴろし < 青山裕企賞と同時受賞 >
作品名「フルーツヨーグルト」 作者:Waiwan
奨励賞 1作品
該当なし
《 ドキュメンタリー部門 》
最優秀賞 1作品
該当なし
優秀賞 2作品
作品名「僕は、弟が死んだ理由を知らない。」 作者:率
作品名「わたしたちは ここで 育っている。」 作者:理由
奨励賞 4作品
作品名「都市多彩(後ろ姿)」 作者:岩見雄次
作品名「『人生』 ~棘を抱えて~」 作者:究万(くま)
作品名「手(仮)」 作者:i
作品名「言葉のまほう」 作者:本坊小百合
※ 掲載している画像は画質が荒いものもございますが、応募作品をスキャンしたものになりますのでご容赦くださいませ。