「アート・ドキュメンタリー部門」「サブカル・マニア部門」「撮影ガイド・実用部門」の3部門で募集した第11回写真出版賞(2025年12月10日締切)は、下記の通り受賞作を決定しました。大賞受賞作品と契約が成立した作品は提携出版社により出版されます。

全体的に写真のレベルが上がっているのを感じました。もちろん機材などの進化もあるとは思いますが、自分の視点を意識して、写真を通して見たい世界、表したい世界を写すことが出来ている作品も多かったです。AI による生成画像に見慣れた人も多くなってきていると思います。その分、AI には生成できない写真表現もきっとあるのはないかと思いながら、写真を撮っている人も増えてきているように感じました。ただ美しい写真、未知なる画像を求めるよりも、自分に素直になって、表現することを追求していきましょう。その姿勢の継続の結果として、写真集は出来上がるものだと思います。
プロフィール:1978年、愛知県名古屋市生まれ。2007年、キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。『ソラリーマン』『スクールガール・コンプレックス』『少女礼讃』など、“日本社会における記号的な存在” をモチーフにしたポートレート作品を制作。2009年より写真集などの著書を100冊以上刊行(翻訳版も多数)。『スクールガール・コンプレックス』は、2013年に映画化。写真集は累計10万部以上のベストセラーとなる。吉高由里子・指原莉乃・生駒里奈・オリエンタルラジオなど、時代のアイコンとなる俳優・アイドル・タレントの写真集の撮影を担当している。2016年より、ユカイハンズパブリッシング設立。写真出版賞では第1回より特別審査員を務める。http://yukiao.jp/

今回、初めての審査員参加となりましたが、いやぁ、みなさん、写真がお上手で、レベルの高い審査ができました。審査にあたって心がけたのは、その作家さんの見つめているものは何かということ。つまり何がシャッターを押させているのか。そんなことを思いながらの審査は、こちらも感性が刺激されまくる、楽しい時間でした。とくに大賞受賞作「すぺくとらむ」は ASDの娘さんが見ている世界、感じている世界を、写真と娘さんの手書きの言葉によって表現するという実験的なもので、その企みが見事に実を結び、インクルーシブな今という時代にふさわしい、多くのことを問いかけてくる作品へと昇華していました。ただ、ワタクシが期待していた「サブカル・マニア部門」はちょっと元気がなかったかな。常人とは違った目のつけどころやセンスが勝負の決め手になる部門ゆえに、商品化されたときの起爆力も計り知れないものがあると思います。次はぜひとも、な、なんだ?この人の感性は!と、ニヤニヤしながら審査したいので、マニアックでヘンな作家さん、どしどしご応募ください。
プロフィール:1963年東京都新宿区生まれ。広告業界において30年以上、コピーライター兼クリエイティブディレクターという立場でさまざまな写真のディレクションやセレクトに関わる。現在は温泉をディープなサブカルチャーとして捉え、これまでなかったユニークな視点で温泉文化の魅力を発信。主な著書に『もう、ひなびた温泉しか愛せない』『つげ義春が夢見たひなびた温泉の甘美な世界』『東京休日端っこ散歩』『ヘンな名湯』『ひなびた温泉パラダイス』など。現在、初となる長編小説を執筆中。写真出版賞では今回(第11回)より特別審査員を務める。https://hina-ken.com/

“写真の未来を切り開いていく” 写真出版賞も第11回を迎えました。この賞は、出版を目的として公募しているユニークな賞です。さまざまなジャンルを設定していますから、写真表現を目指す(あるいは活動している)すべての方が対象です。おかげさまで、これまでに多くの個性的な表現や探究が出版へと結びつきました。写真界はもとより、世界中の読者に、さまざまな場所で評価されています。きっとそれは、これから出版しようとしている人に先鞭をつけていると思います。写真の出版は、出版マーケットから見れば、厳しい状況もあると言えますが、一方で、新しい出版スタイル(ZINE やこだわりの自主制作、フェアやイベントなどのマーケット)の萌芽も見られます。今回の審査を通じて、出版物の新しい可能性を、出版のスタイルからももっと追求していこうと、特別審査員の青山裕企さんとも話し合いました。大賞受賞作は、写真表現や出版の領域を広げる意欲作が選ばれました。これからも、写真の未来を切り開いていくような、新しいアイデアや概念で活動していきたいと思います。
プロフィール:1964年東京吉祥寺生まれ。写真出版賞の提携出版社みらいパブリッシングの代表取締役。15歳で第一詩集『童女 M-16の詩』を刊行。以来、詩、作詞、エッセイ、編集など出版や表現に関わる多数の活動を行っている。写真出版賞では第1回から審査員を務める。http://miraipub.jp/




「すぺくとらむ」asami
制作意図:娘の視点を少しでも理解したい、共に感じてみたい…そんな思いから、私はカメラを手に取りました。私の写真と娘の言葉を重ねることで、私には見えない娘の心の景色が立ち上がり、そこには驚くほど鮮やかで繊細な世界が広がっていました。




「妻と金木犀」 妻と金木犀
制作意図:人生の大半はこの「どこにでもある日」からできている。ページをめくるうちに、読者自身の大切な人や、もう戻らない時間をそっと思い返すきっかけになればと思っています。



「北京アパートメント」Alix Lang

「やまゆき」木村一成

「阿黄の写真集」阿黄

「Shines upon the green moss(復照青苔上)」張鈺
「In the Summer of 2000」吉岡さとる
「潜在空間に生息する昆虫図鑑」三宅章介
「夜をつくる」停電連絡
「こどもごはん」はまぐちなおひろ
「光と影の欠片採集」土門伊織
「TOKYO DEEP III」 鈴木真吾
「レトロ蒸気機関車 in ジャパン」厩所のぶゆき


「可愛いに国境はないー蝦夷の命を世界へ届ける理由ー」ヒロキ

「S(O)L Magazine Issue #1 BREAKFAST」石原麻里絵

「小学生カメラマンの冒険 〜北海道の野生動物たち〜」アラタ

「木鼠 金太郎」出口大芳
「懐かしくも新しい」turbokun
「渓流の貴公子 ヤマセミ」佐藤満
「世界はあまりに小さい、喜びも悲しみも。」みにちゅぁん
「火の鳥(PHOENIX)」永悟
「セレンディピティな夢語り」ironone
「叙情的写真表現」光橋大勝



「なら鹿写真 さいしょの一歩」あおによし子

「わが子の今をやさしく写す育児が楽しくなる写真メソッド」わが子写真家 なかむらまりこ

「来た!見た!撮った!− 写真の幅を広げる車中泊撮影旅行のすすめ−」鍵本裕次

「私の大切な料理写真達 画像生成AIで理想の世界観を」ゆめたび
「Zinstant 誰でも爆速でできるコンビニ写真集のつくり方」つぼけん
「わたしたちの愛すべき〇△ ¿ *」岸ふみ
「売れる写真には理由がある 商品撮影の基礎と実践 ──スマホでもカメラでも使える商品撮影のルール──」森川ゆみ子